空条承太郎(くうじょう じょうたろう)は荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する架空の人物。
Part3『スターダストクルセイダース』の主人公。
性格・人物[]
Part3以降にも登場し、シリーズを通して最も多く長期に渡って活躍したキャラクターである。Part2『戦闘潮流』の主人公ジョセフ・ジョースターの孫。
常に帽子と厚手のコート(Part3においては学ラン)を身に着けている。帽子は滅多なことが無い限り脱がず、全シリーズ中で3度しか脱いだ事がない。頭脳明晰で常に寡黙かつ沈着冷静だが、根は激情的な性格で正義感も強く、肉親に危機が及ぶと冷徹になりきれないことが多い。
1971年生まれのみずがめ座。男性。身長195cm・体重82kg。口癖は「やれやれだぜ」(四部以降は「やれやれだ」の場合も)。
父は日本人ジャズミュージシャン・空条貞夫、母はジョセフ・ジョースターとスージーQ夫妻の一人娘ホリィ。日本人とイギリス系アメリカ人のハーフである。『Part6 ストーンオーシャン』の主人公・空条徐倫は実娘(長女)に当たる。
劇中での活躍[]
Part3『スターダストクルセイダース』[]
17歳(1989年)。東京在住の男子高校生。100年前にジョナサン・ジョースターと共に海に沈んだはずのDIOが復活した影響で、祖父ジョセフと共にスタンド能力に目覚める。スタンド発現の悪影響で重体になった母ホリィを救うため、祖父やジャン=ピエール・ポルナレフら仲間たちとともにDIOを打倒すべくエジプトを目指す。
威圧的な外見と気性の激しい性格のため暴力事件を頻繁に引き起こしており、周囲から不良のレッテルを貼られている。幼少期は素直で大人しい子供だったらしいが、実は当時から既に「やる時はやる」性格を持っていたようである。同校の不良たちからも慕われ、番長格に収まっている。周囲の女性から人気が高いが、本人はまとわりつく女を鬱陶しく思っている。
登場初期は空条の「条」と承太郎の「承」を合わせた「ジョジョ」というニックネームで呼ばれていたが、回を追うごとにそう呼ばれることは少なくなり、やがて単に承太郎とだけ呼ばれるようになる。
未成年ながら既に飲酒と喫煙の習慣がある。「火のついたタバコを口の中に5本入れ、火を消さずにジュースを飲む」という妙な特技があるらしい。好角家で、留置所の中にいた時にもラジオで大相撲中継を聞いていたり、花京院に相撲の土俵際での面白さを語ったりしている。幼少期は『刑事コロンボ』が好きだった。また当事から服飾にもこだわりがあり、帽子の装飾品をはじめ、学ランも一度消失した時に新調した際には100%綿にし、襟に鎖を繋げている。
単行本14巻に掲載された設定では、好きな歌手は久保田利伸。好きなスポーツ選手は千代の富士。好きな女の子のタイプは日本人的な女性、大嫌いなタイプはウットーしい女。好きな映画は『ネバー・クライ・ウルフ』。趣味は船や飛行機に関する本を読むこと。好きな色は透明感のある色となっていた。
Part4『ダイヤモンドは砕けない』[]
28歳(1999年)。海洋学者となり、海洋生物研究の第一人者として学会にその名を馳せている。年老いたジョセフに何かがあった時のために遺産を整理していたところ、ジョセフに隠し子・東方仗助がいることが発覚。仗助への遺産分配の手続きと、ジョセフの念写により杜王町に潜伏していることが判明した殺人鬼・アンジェロの追跡のため、M県S市杜王町を来訪する。その後、アンジェロの証言によりスタンド使いを生む「弓と矢」の存在が明らかになったため、調査のため続けて杜王町に滞在することになった。
根本の激情的な性格は変わらないが、年月を経たためかPart3時に比べ言動は落ち着いている。Part3に比べると活躍の場は少ないものの、豊富な知識や実戦経験などから、仗助達のリーダー格として一目置かれていた。
Part4最終話には「杜王町滞在中に執筆したヒトデに関する論文で博士号を取った」という記述がある(そのためPart6ではスピードワゴン財団の人間からは「博士」と呼ばれている。)。
Part6での描写によると、この時点で既にアメリカ人女性と結婚し、娘・徐倫も生まれていたようである。
Part5『黄金の風』[]
30歳(2001年)。広瀬康一に、DIOの遺児である少年・汐華初流乃(ジョルノ・ジョバァーナ)の調査を依頼。その後、康一からの報告によりジョルノがスタンド使いであることを確認して調査を打ち切り、以降は一切登場しない。
なお、この登場以降、年齢が壮年へ差し掛かったのと、冒険家として経験を経たためか、一人称が4部までの「俺」から「わたし」に変わっている。
物語のクライマックスで、1990年代初めにポルナレフとともにスタンド能力を引き出す「弓と矢」の調査をしていたことが明かされている。
Part6『ストーンオーシャン』[]
40歳(2011年)。DIOの元部下ジョンガリ・Aの陰謀でG.D.st刑務所に投獄された実娘の徐倫を救出するため、スピードワゴン財団の協力を得て脱獄の手引きを行うが、ジョンガリ・Aを操る真の首謀者・プッチ神父に襲撃され、記憶とスタンドのDISCを奪われてしまう。それから長い間仮死状態となっていた。後に徐倫の活躍によりDISCを2枚とも取り戻し復活、決戦の地ケープ・カナベラルに駆けつける。プッチ神父との最終決戦においては、冷静な判断力や往年の実力が健在であることを見せるも、神父の攻撃から徐倫をかばい、その隙を突かれ死亡。
家庭を顧みず仕事に励んでいたため家族との関係は悪く、アメリカ人の妻とは離婚し、徐倫からも激しく憎まれていた。しかしそれは妻や徐倫を過酷な戦いに巻き込ませまいとしたためで、後に本心を知った徐倫と和解し、「父さん」と呼ばれるまで関係が修復した。
この時既に壮年のはずだが、容姿は青年期からそれほど変化しておらず、若々しさを保っている。刑務所内からの台詞によると、この頃には喫煙習慣はなくしていたようである。
スタンド[]
詳細はスタープラチナを参照
実写版[]
年齢は上だが血縁上は仗助の甥。仗助に会うために杜王町を訪れ、町を揺るがす事件を調べる。
備考[]
- 常に帽子をかぶっているため、帽子と後頭部が一体化しているように描かれている。これについて作者は、後ろから見ても承太郎とわかりやすくするため、また自身にとっても描きやすいためそうしていると語っている。
- Part3でかぶっていた帽子には左手の平のマークが付いている(割合としてごく少数だが中指にペンダコがある右手の甲のマークの場合も)。これは本作を象徴するマークとして、Part3以降もさまざまな場所で登場している。
- Part4の最後でかぶっている帽子に上記の手の平マークと共に描かれているのは、♂と♀を合わせたプリンスの古いマークである。
- 作者は「溜池Now」(GyaO)で中川翔子と対談した際に、中川から「最高のスタンドであるスタープラチナに勝つことが出来るスタンドはありますか?」と質問され、「存在しない。(強いて言うなら)承太郎の子孫が使うスタンドだけでしょうね」と答えていた。
- Part4ではスタッフのミスによりPart3が本来の1989年ではなく1987年に設定されてしまったため、Part4でのPart3に関連する西暦や年齢には若干ズレが生じている。
- スティールボールランやジョジョリオンの世界では吉良吉影になっている。
声優[]
- 梁田清之(Part3ドラマCD版・Part3対戦型格闘ゲーム版)
- 小杉十郎太(Part3OVA版)
- 稲田徹(Part5ゲーム版) ゲーム本編には登場していないが、サウンドトラックのおまけで声を聞くことができる。
- 小野大輔(アニメ版以降)
pt:Jotaro Kujo